永遠の一瞬

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かつて栄華を極めたという文明が、崩壊してから数千年。
極東の小さな島で珍しい宝石が見つかったことで、一攫千金を夢見る人が集まっていた。
僕もそのひとり。

かつてここに何があったかは、誰も知らない。
ツルハシを持って、何日も掘り続け……やがて、僕の目の前に、それは現れた。
蒼く輝く宝石。震える手で、慎重に土を払いのけた。

──と。

壁から、銀色の板が転げ落ちた。
金属のように見えるけれど、両手でつまんでみたら、ぐにゃりと曲がった。

数年後。

その銀板が分析され、ここはかつて、スポーツやコンサートが行われた会場だと判明する。
人々の輝かしい感情が降り積もった場所。

数千年前の人は、ここで、どんな景色を見ていたのだろう。
今や知るよしも無いけれど──。

きっとそれは美しいモノだったに違いない、と、
この蒼い石を見ているのと思うのだ。
ファンタジー
公開:19/08/17 14:47

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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