こんにちは、さようなら
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人と人が出逢うということはいつか別れるということに他ならない。私は誰かと出逢った瞬間、いつ、どのように別れるのかを予知してしまう。この能力はときに胸が張り裂けんばかりの悲しみをもたらす。だが良い面もある。それは別れの時が分かっているからこそ、その人との出逢いに奇跡にも似た喜びを感じ、共に過ごせる時を愛おしむことができる点だ。
別れの時が近づくと、私は相手に一枚だけ肖像を描かせて欲しいと頼む。その人と過ごした輝く時をカンヴァスと自らの心の中に永遠に封じ込めるために。そして別れの時が訪れると「今までありがとう。あなたと出逢えて良かった。さようなら」と感謝を伝える。社交辞令ではなく心からそう思えるから。人が出逢い、別れる時の流れを私達は人生の節目と呼ぶのかもしれない。
私は最後に別れる相手である鏡の中の自分に向かって微笑むと手を振った。
「今までありがとう。あなたと出逢えて良かった。さようなら」
別れの時が近づくと、私は相手に一枚だけ肖像を描かせて欲しいと頼む。その人と過ごした輝く時をカンヴァスと自らの心の中に永遠に封じ込めるために。そして別れの時が訪れると「今までありがとう。あなたと出逢えて良かった。さようなら」と感謝を伝える。社交辞令ではなく心からそう思えるから。人が出逢い、別れる時の流れを私達は人生の節目と呼ぶのかもしれない。
私は最後に別れる相手である鏡の中の自分に向かって微笑むと手を振った。
「今までありがとう。あなたと出逢えて良かった。さようなら」
ファンタジー
公開:19/10/25 12:22
出逢い
別れ
節目
人生
死
空想と妄想が趣味です。
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