インフルエン座

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剛は小学生の妹と星空を見上げていた。妹が空を指差すと言った。
「ほら、あれがインフルエン座!」
剛は笑って言った。
「そんな星座あるわけないだろ」
妹はキョトンとして剛を見る。
「お兄ちゃん、理科の時間に習わなかったの?」
「はいはい、面白いねえ」
剛は妹の頭を撫でた。妹は不服そうな目をして剛を見ていた。
翌朝、学校に向かう途中で剛は親友の隆に会った。並んで歩き出すと隆が言った。
「昨日カノジョとプラネタリウムに行ったらさ、あいつ、インフルエン座って星座があるって言い出してきかないもんだから喧嘩になっちまって最悪だったよ。インフルエン座なんてまったくどんな星座だよ。ギャグにしても寒すぎるわ。なあ?」
剛は隆に言った。
「間違っているのはお前の方だよ。インフルエン座のことは理科の時間に習っただろ? その星座を見た者の意識に感染して記憶を改竄する。お前のカノジョが呆れるのも無理はないぞ」
ホラー
公開:19/10/22 13:04
更新:19/10/22 15:57
インフルエンザ 星座 プラネタリウム 理科 感染

蟲乃森みどり( 太陽から三個目の石 )



空想と妄想が趣味です。

 

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