電子蛍
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スクランブル交差点を渡っているとき、男に話しかけられた。
「電子蛍を知ってるかい?」
私は無視して足早に歩いた。変わったナンパの仕方だ。
男は私に追いつきながら尚も話し続けた。
「この街の光はすべて電子蛍の出す光なんだ。電子蛍は光を餌にしてより明るい光を生み出す」
意味がわからない。光は電気に決まってるじゃない。
「電子蛍は千年に一度、宇宙との交信のためにいっせいに光を消す。今夜がその日なんだ」
私は無視して歩き続けた。相手にしちゃダメだ。
「ほら、始まったよ」
男が交差点の中心で立ち止まると空を仰いだ。
次の瞬間、光のドミノがいっせいに倒れて消えるように渋谷の街は暗闇に飲み込まれていった。
黒いシルエットとなったビル群の上空には天の川が浮かんでいた。
もし彼の言うことが本当なのだとしたら、この宇宙のどこかに電子蛍が光を消した街があるのかしら?
私は満天の星空へ向けてそっと手を差し伸べた。
「電子蛍を知ってるかい?」
私は無視して足早に歩いた。変わったナンパの仕方だ。
男は私に追いつきながら尚も話し続けた。
「この街の光はすべて電子蛍の出す光なんだ。電子蛍は光を餌にしてより明るい光を生み出す」
意味がわからない。光は電気に決まってるじゃない。
「電子蛍は千年に一度、宇宙との交信のためにいっせいに光を消す。今夜がその日なんだ」
私は無視して歩き続けた。相手にしちゃダメだ。
「ほら、始まったよ」
男が交差点の中心で立ち止まると空を仰いだ。
次の瞬間、光のドミノがいっせいに倒れて消えるように渋谷の街は暗闇に飲み込まれていった。
黒いシルエットとなったビル群の上空には天の川が浮かんでいた。
もし彼の言うことが本当なのだとしたら、この宇宙のどこかに電子蛍が光を消した街があるのかしら?
私は満天の星空へ向けてそっと手を差し伸べた。
ファンタジー
公開:19/10/18 09:56
更新:19/10/19 16:50
更新:19/10/19 16:50
渋谷
蛍
ネオン
都会
宇宙
天の川
空想と妄想が趣味です。
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