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目が覚めるとドアから幾人かが部屋に入ってきた。年齢も性別もバラバラで、家族の様にも見える。皆それぞれに竹笛を持っている。竹笛には節があって、長さも太さも様々だ。

男の子が笛を吹いた。ぴー
女の子が、ぷー
お母さんが、ぶー
お父さんが、ぼー
お爺ちゃんが、どー

ぴっぷっぴっぶぷ、ぼーどどー
どーぷぶぷぴぶどーぼどー
どどぼど、ぼぶぶぴ、ぷぴぷーぴー

奇妙な節だった。でも体に馴染む。心が躍る節。リズムに合わせて胸が鳴った。僕の鼓動のリズムに乗って笛を吹く大勢の人たちが次々と部屋に入ってきた。長さも音色も違う笛。

ばーっぱーっ、ばーっぱーっ
ぱららばららぱららばらら
ばばばばらららぱー!

笛の音が高らかに響くと、人々の間から薬玉が上がって僕の頭上で割れた。鳩と紙吹雪が飛び、こんなふうに書かれた垂れ幕が現れた。
「1,000,000,000回目の心臓の鼓動、おめでとう!!」
ぱぱーーっ!
その他
公開:19/10/09 23:52

北澤奇実

猫ショートショートコンテスト、優秀賞を頂戴しました。ありがとうございました。久しぶりの受賞でしたのと、紙の雑誌に掲載されるという事で喜びもひとしおです。
猫は自分では色々と書いてきたつもりなので、新しい猫のネタを考えるのに苦労しましたが、なんとなく自分らしくできたのではないかと思います。
今後とも精進してまいりますので、よろしくお願いいたします。

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