『真似木猫』

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あんた、ウチの猫のことどこで知ったん?
何、もう町中で噂になっとる?それでか、千客万来なんは。
そうや、あんたでちょうど100人目や、ウチの真似木猫見に来たんは。
何?詳しく聞きたいて?
そうやな。あんた、歳とった猫は化けるいうんの知っとるか?
そうや、普通は猫又や。けど、うちの猫は木ぃに化けたんや。
こう、身体がひょろ~んと細長なってなぁ。毛ぇは伸びて固まって枝になり樹皮になり。
ほれ見てみ。枝の先に毛ぇが残っとるやろ。見た目まるっきり猫柳や。
でもなぁ、所詮はまねっこや、動物は植物にはなられへん。
その証拠にこうやって猫じゃらしを近づけるとな、ほれ反応した。
ま、せやけど真似木猫いう名は伊達やない。ちゃんと客も運んでくれる。あんたみたいなな。
ん?なんやその札は。なに?猫譲ってくれ?
はん、そんな端金で売れるかいな。
ほら、木ぃのここんとこよう見てみ。値(根)ぇが張っとるやろ。
その他
公開:19/06/26 21:43
更新:19/06/27 12:31

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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