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政府公認犬制度が始まった。知力体力に優れた犬は政府に協力する見返りに一生分の餌代が支給される。
私は猫だが、そんなことは問題じゃない。ダメ人間のご主人の家計は私が支えるのだ。
一番の問題は人間語を話す時の猫訛りだ。
お察しの通り、猫は何となくがニャンとなく、ないがニャイになる。
猛特訓により私は猫訛りを完全に克服した。
そして、運命の一次面接。
「では次…坂崎ポチくん」
「はい!」
「君はどう国に貢献しますか?」
「はい。犬の特徴であるワンダフルな嗅覚を活かして落し物の捜査に尽力します」
ユーモアを交えつつ自分の強みをしっかりアピール。面接官も笑っている、好感触だ。
「アハハ、なるほど。でも君は猫だからダメね」

なぜバレたのだろう。特殊メイクで外見は犬だし猫訛りもなかった。
ご主人は笑って言った。
「完璧だったからさ。犬は犬訛りがあるんだぜ?ワンチャン狙って失敗したな」
ニャンてこった!
ファンタジー
公開:19/06/24 23:25
更新:19/06/28 21:49
#猫

大海原 天空( 東京 )

田丸先生のショートショートの手法のおかげで、長年溜め込んだ「小説書きたい熱」が発散できるようになりました!
ご感想・ご意見をお待ちしています、よろしくお願いします^^

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