ネコネコ神拳

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空手、ボクシング、柔道…この世の全ての格闘術を極めるのが俺の目標。
そんな俺のライバル、大剛院重三郎が破れた。それも一匹の猫に。
「あんたが大剛院を倒した猫だな」
一見普通の、いやかなり歳をとったじじいの猫だ。
「にゃーん」
「とぼけるな。喋れることは調査済みだ」
「…やれやれ。人間はしつこいのう。あんたの勝ちでいい、見逃してくれまいか?」
「問答無用!」
そしてあっさりと俺は破れた。
俺はその日にその猫、いや猫老師に弟子入りした。

猫老師の拳法はネコネコ神拳。
ネコの特性を活かした超一流の暗殺拳法だ。
「ボーイ、猫になれ。ネコネコ神拳を極めるには、猫になりきるんじゃ」
「はい猫老師!」
そして俺は猫の生活を始めた。食事は三食ねこまんま、真冬の夜を全裸で町内を駆け回る。
皮膚で風を感じ、爪で大地を捉え、暗闇の僅かな光を目に集める。やがて俺の体に変化が生まれた。俺はとうとう…ねこんだ。
ファンタジー
公開:19/06/25 18:32
更新:19/06/26 01:31
♯猫 #ネコ

大海原 天空( 東京 )

田丸先生のショートショートの手法のおかげで、長年溜め込んだ「小説書きたい熱」が発散できるようになりました!
ご感想・ご意見をお待ちしています、よろしくお願いします^^

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