『雨の独り言』

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えー、本日はいっぱいのお運びありがとうございます。
私の方では少しためになる話で一席おつきあい願いたいと思います。
出てくるのは二匹の狐。
「おい、聞いたかい。雨のやつが仕事断ったってよ」
「え、じゃあ、今度のコン吉さんのとこの婚礼、雨が降らねぇってのかい」
「そうみてぇだな。なんでもお天道さんが出てる時に降るってのは雨にとってキツイらしい。
 酒飲みながら"やってられるか"って一人でぼやいてたって噂だぜ」
「どうするよ」
「そうだなぁ。よし、俺らの神様、ウカノミタマ様に相談しよう」
二匹は稲荷神社に向かいます。
「ウカノミタマ様、実はこれこれ……」
「それは困ったのう。妾も雨は降らせぬ。じゃが、穀物神じゃ。代わりに米の雨を降らせて婚礼を祝ってやろう」
この話がいつしか狐から人間に伝わって"ライスシャワーの儀"になったとか。
狐だけにコーン礼のためになるお話でした。おあとがよろしいようで。
その他
公開:19/06/18 12:27
月の文学館 雨の独り言

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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