『わがまま娘』

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リーラはわがままな娘でした。
この島の海の神様への贄となるときもそうでした。
いやだいやだと言って母である私の足にしがみつき、放しませんでした。
「リーラ、あなたは神様のお嫁さんになるの。とっても偉いことなのよ」
そう言い聞かせても聞きません。
仕方なしに、長はリーラを絞め殺しました。
私たちはリーラに儀式装束を着せ、丸木舟に乗せます。
男達が舟を沖へと流しやりました。
でも、リーラはその夜、帰ってきたのです。
青黒い首の絞め痕もそのままに。
彼女を見て、夫は狂いました。
鉈で彼女を幾片にも断ち割り、舟に積めて流したのです。
でもきっと、リーラはまた帰ってくるでしょう。
ほら、べしゃりずるりと音がする。
リーラ、なんてわがままな娘。
ホラー
公開:19/05/30 19:23
スクー わがまま娘どんぶらこ

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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