『韋駄天』

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えー、毎度ばかばかしい小噺を一つ。
昨今パワハラなんて言葉が言われますが、仏様の世界でもこれは変わらないようで。
「おーい、韋駄天や、韋駄天は居るか」
「へーい。なんでしょう増長天様」
「最近儂は"わらしべ長者"という話を読んだ。そこでお前に、長崎まで行ってこのわらしべを外国の"まぁめいど"なるものと交換してきてもらいたい」
「では、ひとっ走り行ってまいります」
「まてまて、話は終わっとらん。この任務は人間として、日本の北の端から始めてもらう。旅程は全て歩き。走ってはいかん」
「何でそんな!」
「その方が面白……いや何でもない。とにかく行くのだ」
パワハラ上司に威圧された韋駄天さん、天界から地上への道で溜め息を一つ。
「俺から走りを取り上げるなんて、どうかしてるよ。それにわらしべを"まぁめいど"にだなんて、どう考えたって釣り合わないじゃないか。はぁ。価値に合わない(徒歩似合わない)」
その他
公開:19/05/20 17:46
スクー わらしべマーメイド

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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