３.９階

なんだその０.１足りない感じは。

ツッコミながら、僕は面接会場の案内文を凝視した。

面接を受けるのは、AI事業を筆頭に世界的最先端の技術を誇る企業。
応募するのも知恵が必要だったが、会場へ行くにもどうやら知恵が必要なようだ。

「Hello World!!　hogehogeビル３.９階でお待ちしてます」

今届いた通知には住所すら書いていない。
会場への到達タイムリミットは２４時間。
僕はこの謎を解くべく行動した。

まずhogehogeビルなんて存在しない。
案内文から日本語、英語、数字からのアナロジー等、様々な検証を繰り返す。そして辿り着いた答えを、僕は実行した。





http://thank.you/


あるはずもない.youドメイン。
そのURLを叩いた瞬間、僕の意識はWEBへと吸い込まれ、VR面接会場へ誘われたのだ。

『到達おめでとう！　さて次の面接会場だが・・・』