2
6
小屋が現れた。
先程までは森の木々しかなかった空間に、30年前からあるかのように。
私は異変を自然に感じつつ小屋に入る。
小屋の中は、体育館のような広さ。
中央には熊ほどの巨岩が浮かぶ。その岩に頭部以外が埋まっている老人が言った。
「なぜあんなことを?」
暖炉のある山小屋の中に、老人と私が向かい合って座っている。もちろん先程の岩石などない。
私はまばたきしていない。
小屋の出現(発見?)と同じ、同一性のない連続性という現象。
「わしは珍しい生命作りコンテストの審査員だ」
老人は私のほっぺを引っ張った。なぜか不快ではない。
「いやぁ珍しい生命だ。てっきり右目に左目の生き物が1位かと思ってたけどね」
老人は私のお尻を撫でて、髪の毛を数本抜いた。
「本題に入ろう。なぜあの森の木の葉を何千枚もベロベロに舐め回したんだい?」
「……したからです」
「え?」
「欲情したからです」
「うーん、優勝!」
先程までは森の木々しかなかった空間に、30年前からあるかのように。
私は異変を自然に感じつつ小屋に入る。
小屋の中は、体育館のような広さ。
中央には熊ほどの巨岩が浮かぶ。その岩に頭部以外が埋まっている老人が言った。
「なぜあんなことを?」
暖炉のある山小屋の中に、老人と私が向かい合って座っている。もちろん先程の岩石などない。
私はまばたきしていない。
小屋の出現(発見?)と同じ、同一性のない連続性という現象。
「わしは珍しい生命作りコンテストの審査員だ」
老人は私のほっぺを引っ張った。なぜか不快ではない。
「いやぁ珍しい生命だ。てっきり右目に左目の生き物が1位かと思ってたけどね」
老人は私のお尻を撫でて、髪の毛を数本抜いた。
「本題に入ろう。なぜあの森の木の葉を何千枚もベロベロに舐め回したんだい?」
「……したからです」
「え?」
「欲情したからです」
「うーん、優勝!」
SF
公開:19/07/19 20:08
更新:19/07/19 22:58
更新:19/07/19 22:58
田丸先生のショートショートの手法のおかげで、長年溜め込んだ「小説書きたい熱」が発散できるようになりました!
ご感想・ご意見をお待ちしています、よろしくお願いします^^
ログインするとコメントを投稿できます