KMM

帝国は多数の国の集合体だ。帝国に従順な国王を選ぶ事が、帝国の繁栄に繋がる。

俺は帝国孤児院の所長。ガキは嫌いだが、最近見込みのある奴がいる。
「所長、またあの2人が！」
「すぐ行く」
現場ではドイルとロンを中心にガキ共が大乱闘している。
「静まれ！」
ガキ共は全員恐怖で目を伏せた。いやドイルだけは俺を見つめ返した。
「ドイル、ロン、来い」
俺は2人を所長室に連れて行った。
「何があった」
「ロンが下級生のパンを盗みました」
「ロンなぜだ？」
「な、仲間を増やす為に」
「なぜ仲間を？」
「ドイルに勝つ為」
「よしドイルはもういい」
ドイルが去ると俺は言った。
「ドイルは…王の器だ。お前は違う」
ロンは泣いた。
「奴に勝ちたいか？」
「はい…卑怯でも、何をしても」
俺はニヤリとした。さすが俺の見込んだガキだ。帝国が求めるのは正義感あふれる優秀な王ではない。手段を選ばないキングメーカーなのだ。