さくらのこ ~ 太陽物語

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まだ人々が、植物の声を聴いていた頃のお話

春に蜜をついばんだメジロが
声高らかに時を告げました

『今年も来たよ!今年も来たよ!』

すると小鳥たちは一斉に目を輝かせます

『今年も来たね!可愛い子たち!』
『待っていたよ!可愛い子たち!』

ハトも スズメも シジュウカラも
沢山の小鳥たちは歌いながら桜の木に集合します

枝にとまり 今か今かと待ちわびたその時

くるん!くるん!と宙返りながら
桜の子どもが舞い降りて来ました

小鳥たちは歓声を上げて
降りてきた桜の子どもを
嘴に咥え 飛び去ります

程なく飛んだ小鳥たちは
ふわふわの土の上に
子どもたちを下ろします

すると桜の子どもたちは
運んでくれた小鳥たちに
甘いサクランボを渡します

そうやって子どもたちは
ふかふかの土のベッドで
立派な桜になる日を夢見て
芽吹きの時を待ちわびるのです

今は昔の物語
ファンタジー
公開:19/07/08 23:52
更新:19/07/09 00:11
#太陽物語

やまのまや( 東京 )

目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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