コーヒー先輩

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ギョッとした。誰もいないはずの部室に女子がいた。
「科学部の出雲君?」
「はぁ」
「私は2年の浅野朝子。夜に生まれたけど朝子よ。実は、出雲君にお願いがあるの」
「はぁ」
「かくかくしかじかよ」
「ちゃんと言ってください」
どうやら好きな家庭教師の前でブラックコーヒーを飲みたいらしい。
「何の意味が?」
「大人に見えるわ。そしたら子供扱いされないでしょ?」
その考えが…。
「ブラック、飲めないんですか?」
「超甘党なのよね私。できそう?」
僕は協力した。変人だが彼女は美人だった。僕は舌が5分間麻痺する薬を作った。
翌週、また彼女が来た。
「ダメ、飲めなかった」
「そんなハズは」
「私、超猫舌だった」
「わお」
「あと先生をフッたわ」
「え?」
「先生、昼生まれだったの。コーヒーだけに苦い結果ね」
「ええ!?」
「そういえば出雲君は何時生まれ?」
長考に入りたい。
僕はコーヒーが欲しくなった。
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公開:19/07/05 17:42
更新:19/07/06 00:42

大海原 天空( 東京 )

田丸先生のショートショートの手法のおかげで、長年溜め込んだ「小説書きたい熱」が発散できるようになりました!
ご感想・ご意見をお待ちしています、よろしくお願いします^^

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