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『誰も見たことのない猫がいる』

見たことがないなら、なんでその存在がわかるんだろう?

そんなパラドクスを考えてたら、目の前を黒猫が通り過ぎた。

黒猫は、私の数歩前に背中を向けて静かに座った。
私が猫の方に向かって歩くと、猫もまた少し歩いて、私の数歩前に背中を向けて座る。

時々、ニャウンと鳴く声がするが、私と一定の距離を保って歩き続け、そして座る。
手が届きそうで、伸ばしてみるが届かない。

まさか、こいつがそうか?
でも、私には姿が見える。

つまり、見えないものが見えている?
それをどう確かめよう?

すると、友達が向こうから歩いてきたので、

「ねぇ、そこの黒猫。。。」

そう言いかけて、私は言葉を失った。
なぜなら、私がその黒猫だったのだから。

どこからか、あざ笑う声が聞こえた。
「見えないものが見えるって、どんな気分なのかしら?」

じゃあ、私が見ていたものは一体。。。
ホラー
公開:19/07/03 00:18
更新:19/07/03 02:10

やまのまや( 東京 )

目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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