『チューニング』

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健康診断でD判定が出たため会社命令でしぶしぶ病院で検査を受けた。
「あなたねぇ、自分じゃまだ若いと思ってるでしょ」
ギクッ。確かにアラフォーだけど心はまだ20代のつもりだし、食べたり呑んだりも大いにやる。
あと、ほんのちょっと中二病だ。
「精神がね、身体に合ってないんですよ。きっとチューニングがなってないんだ」
医師は私の耳の後ろあたりをクリクリいじり出した。
「チューニングって、何です?」
「中年になることだよ。中年に進行形のingをつけてチューニング。ほら、合った」
医師が手を離すと、いろいろな物のあきらめが流れ込んできた。
おしぼりで顔を拭いても気にならないとか。
おならなんて堂々ととすればいいとか。
ギャグの拾い食いなんて恥ずかしくないとか。
「な、何が起こってるんですか!」
「チューニングが合ったことで、基地局から注年されてるんだよ」
その日から、私は心身ともにおじさんとなった。
その他
公開:19/03/22 19:29
おじさん祭り

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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