マスク

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絶対に捕まらない犯罪者の影には手練れのマスク屋が絡んでいる。
システムの認証に顔を用いる事が99%を占めるこの時代では別人になりきるのは易くない。
しかし、マスク屋のマスクは別だ。ハッキングした監視カメラの映像から、実在する人物の精巧なマスクを作り上げる。
これを被ればあっという間に別人だ。実在する人間だから認証もパスできる。
犯罪者たちは捕まる心配のない悠々自適な新生活が始められるって訳だ。
しかし、ひとつ欠点がある。どういう悪運の巡り合わせか、マスクのモデル本人と出会ってしまった場合だ。
近い距離に同じ人物が二人いるとなると顔認証でも足がつく可能性が跳ね上がる。
だから犯罪者は考える。いっそ消してしまおうと。
元々犯罪者だ。殺人のための箍など既に外れている。
自分と同じ顔のドッペルゲンガーを見たなら、近いうちに死ぬという都市伝説を彼らはうまく利用しているのだ。
SF
公開:19/03/13 09:21
新生活

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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