『素数の国 ~エラトステネスの関所~』

6
6

2はこの素数の国を抜け出したかった。
素数の国は周囲を高い城壁で囲まれ、出入りができるのはエラトステネスの関所と呼ばれる一ヶ所だけだ。
それも、行き来できるのは素数以外の商人たちのみ。素数は出ていくことを許されない。
素数の国は素数にとって天国であり、監獄であった。
2は脱出のために関所で出ていきそうな商人に声をかけた。
適当に選んだのは非力そうな男105。
「私を一緒に関所の外まで連れていってくれ」
そう言って2は105の背に飛び乗った。
2×3×5×7=210。
105は210に変装し、よろよろしながらも見事関所の通過に成功。
したかに思われたのだが、関所番の11と17に止められた。
「おい、その背中のもんは何だ!」
11に肩を捕まれ210はよろけた。拍子に2が転がり落ちる。
「貴様、密出国だな!」
2は取り押さえられた。
非力な105にとって、変装は荷(2)が重すぎたのだった。
ファンタジー
公開:19/03/07 17:34
数学 素数

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容