血の味の素

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「どう?わかる?」って聞くとサラは「んん。カレーはわかるけど、他がなあ」と僕の血を吸いながら答えた。
疫病に罹って人類は3日で滅んでしまった。ここらで生きてるのは吸血鬼になった僕とサラだけだ。吸血鬼はご飯を食べなくても生きていける。けど、する事がない。将棋オセロ囲碁チェス七並べ達磨さんが転んだ。全てに飽きた僕たちが行き着いたのは、この血の味当てゲームだ。僕らには不要だけど、ご飯を食べてそれが血になった頃合いに吸ってみる。食べた物で異なる血の味を当てるのだ。
「納豆とクサヤとシュールストレミング」「すごい!大当たり」挑戦的な食べ合わせだったのに。
「じゃあ次は君が吸う番ね」サラは髪を束ねて首を見せた。この瞬間はいつもドキっとする。
「がぶ」「どうかしら?」「餃子と焼肉…あとは…」「ふふ」「何か…むかし口にして凄く残念だった物の味がする…えっと…あ」「わかった?」
「これ…トマトジュースだ!」
ホラー
公開:19/02/24 02:01
ショートショート美術館 エドヴァルド・ムンク 吸血鬼 2019年1月

北澤奇実

猫ショートショートコンテスト、優秀賞を頂戴しました。ありがとうございました。久しぶりの受賞でしたのと、紙の雑誌に掲載されるという事で喜びもひとしおです。
猫は自分では色々と書いてきたつもりなので、新しい猫のネタを考えるのに苦労しましたが、なんとなく自分らしくできたのではないかと思います。
今後とも精進してまいりますので、よろしくお願いいたします。

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