とまらないこの想い

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彼女の部屋に初めて泊まった夜。

気持ちが昂ぶっちゃって、
どうにもこうにも眠れなくって。
気晴らしに、風に当たろうと外に出たんだ。

真夜中の街を
気の向くままに歩いてたら、
向こうから、
とても綺麗なお姉さんがやってきてね。

幽霊みたいだなぁってガン見してたら、
お姉さん、気づいてこっちを見たんだ。

ボクを見たお姉さんの顔が
急に醜く歪み出した。

その顔は恐怖に引きつって、
ひっ!といって走り去った。

あたりには、ボクの他に誰もいない。

一体何なんだ?と思いながら、
そのまま散歩を続けていたんだ。

でも。

通りすがりの野良猫が、
ボクを見てフーッと声を荒げるし、
懐いてたワンコも
ボクに向かって、けたたましく吠えてくる。

ガラス越しに自分を見つめたボクは、
ようやくその訳に気がついたんだ。

彼女の血で美しく染まったこのシャツは、
少し目立ちすぎるみたいなんだ。
ミステリー・推理
公開:19/02/24 18:46

やまのまや( 東京 )

目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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