『へたっぴ』

6
5

えー、毎度馬鹿馬鹿しい小噺に一時お付き合い願いたいと思います。
どこの世界にも下手っぴというものは居りまして、この狸腹鼓楽団のポン吉もそんな一匹でございました。
ポンポンスポポン スッポンポン
いつものように狸達が稽古をしていると、
「うぁがっ」
ポン吉の呻き声がいたします。
「ポン吉、またか」
団長狸が呆れ顔で寄ってきます。
「へぇ、手が滑って腹じゃなく男の急所を叩いちまいました」
「お前ぇ、入団して何年になる。もうすぐ仲秋の名月。本番なんだからしっかりしろよ」
「へい!」

そんなやり取りのあったあと、いざ仲秋の名月。本番の夜。
うまくいったかと思いきや、そこはポン吉、みなさんの期待を裏切りません。
「うぁがっ」
またも玉袋を叩いてしまいます。
ポン吉はその後団員から袋叩きにされたそうな。
おあとがよろしいようで。
その他
公開:19/05/13 19:20

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容