オナガの唄 〜 太陽物語

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まだ鳥が人とおしゃべりできてた時代のお話

美しい羽のオナガがいました

空色尾羽は
お日様の光でキラキラ輝き
空を写し取ったようでした

「ほらほら、ご覧!
 青空が私の尾羽に嫉妬してるよ!」

コロコロと鈴なる声で
森のあちこちで唄います

次に高い木の上で
白いお腹をツーンと突き出し
声高らかに唄います

「ほらほら、ご覧!
 白い雲が私のお腹に嫉妬してるよ!」

そして星降る夜空に漆黒の顔を伸ばして
さも自慢げに唄います

「ほらほら、ご覧!
 黒い夜空が私の頭に嫉妬してるよ!」

昼も夜もコロコロ声は森に響き
聞いてるみんなはいい迷惑

それを見かねたお日様が
オナガに向かって言いました

「君の体は美しいね。
 だけど声は醜いものだ。」

するとコロコロ声はかき消えて
ゲー!っという地鳴声になりました

だからオナガは恥ずかしくって
声高く唄うのを辞めたのです

今は昔の物語
ファンタジー
公開:19/04/20 22:15
更新:19/07/03 01:00
#太陽物語

やまのまや( 東京 )

目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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