『星渡りたち』

4
12

世界の果てのちょっと先に、僕たち星渡りの村はある。
星渡りの種族は、その名の通り星を渡る。でもそれは女だけだ。
女たちは方々の宇宙へ行って星々を渡り歩く。そして持ち帰った土産話を男たちは物語として加工する。それを売ることでこの村は成り立っている。
僕の姉が星渡りに出たのは数年前、そして去年の夏に、彼女は帰ってきた。瞳に星の輝きを乗せて。
彼女は星に見初められたのだ。星渡りには時々こういうことがある。
姉は瞳の星と一枚の紙を僕らに見せた。それは、結婚の証であると同時に星の世界への通行証だった。
そして、今年の春、姉は星の世界へと旅立っていった。
満天の星空のどこかで、いまごろ姉は星と子をなし星屑となっているだろう。
いつか、僕の娘か、その娘か、そのまた娘が、姉の星へ渡るかもしれない。
その時、彼女はどんな話を持ち帰ってくるのだろうか。
SF
公開:19/01/06 21:57
更新:19/01/17 20:51
星屑になるパスポート スクー

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容