『雷電為衛門と大黒様の夢』

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えー、毎度ばかばかしいお笑いで一席おつきあい願いたいと思います。
江戸の昔に、雷電為衛門(らいでんためえもん)という大変強い相撲取りがおりました。
この雷電為衛門、実は最初から強かったわけではないようで、稽古に明け暮れてもなかなか勝てなった。
ところが、ある年の正月に雷電は夢を見たんですな。
どんな夢かと言いますと大黒様の夢。ただどこか変だったです。
なんとこの大黒様、トレードマークたる打出の小槌を持っていない。
朝起きて雷電は思いました。
相撲は勝負事の世界。どうせ出るなら戦神の毘沙門天に出てもらいたかった。なのに打出の小槌の無い大黒様なんてどうも間が抜けていていけない。
しかし、どうしたことかこの日以来雷電は連戦連勝負けなし。
やあ、これは大黒様の御利益に違いないと雷電は思いましてね、あの大黒様の姿を彫らせて毎日手を合わせたんだそうです。
なにせ、槌(土)の付かない大黒様ですから。
その他
公開:19/01/04 19:20

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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