「言葉あれ」と神は言われた

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混ざり合い連続していた。中心も周辺もなく。微かな差がある。裏であるが表面でもある場所だった。汎く心を通わせることができた。

偏在し同期していた。ただ流れがあった。続いていた。不可逆的に。

感じることができた。心在るものと無いもの。低く深く。高く平らかに。差が示されていた。

形はむくむくと成すことを続けた。動きを識った。血は通っていた。最早均質では無かった。全体が細部に宿り、全体は細部に倣った。

同期が外れ。満ちたのだ。気付けば先に光を感じた。導きとした。わたしは自分を自覚した。進め。

光へ抜けた。息を吸うとすぐにこれらの事を、わたしの胎であった者と素であった者に告げた。今よりわたし達は家族となる。わたしは父母を祝福し、わたしと分かたれた全ての世界を祝福すると。
だが父母には、その言葉はただの泣き声にしか聞こえなかった。やがてわたしの意識もぼんやりとしていき、赤ん坊のようになった。
その他
公開:18/12/31 23:59
更新:19/01/09 09:12

北澤奇実

ご無沙汰しております。北澤です。お陰様で元気に過ごしております。

椿さん、そるとさん、坊っちゃん文学賞受賞おめでとうございます。
それから、ご活躍のガーデンの皆様、おめでとうございます。

私も引き続き精進してまいります。
(一年半ぶりの投稿でUIの使い方をすっかり忘れていました……)

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