『十二支の忘年会』

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年の瀬。十二支たちにとっても忘年会シーズンです。
現地集合で居酒屋の前に集まった面々ですが、どうやら一匹足りないようです。
「おい、来てないやつ誰だ?」
虎が唸ります。
鼠が牛の頭に乗って皆を数え始めました。
「子、丑、寅、卯、辰……巳。蛇だ。蛇が来てないぞ」
「あいつ、確か幹事だったよな。幹事なんだから真っ先に来てろよな」
猪が鼻息を荒くして言いました。
そうです、蛇は十二支の中でも口達者でお調子者でムードメーカー。いつも皆を笑わせ盛り上げてくれるので、幹事を任されたのでした。
しかし、待てども待てども蛇はやってきません。
「もう待てねぇ、始めちまおうぜ!」
猿は我慢の限界のようで顔がお尻よりも真っ赤でした。
そんなこんなで始まった忘年会ですが、やっぱりムードメーカーの蛇がいないのでいまいち盛り上がりませんし、楽しくありません。
それはそれはなんとも実(巳)の無い会になりましたとさ。
ファンタジー
公開:18/12/30 22:03
十二支の幹事確認 スクー

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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