『額歴社会』

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臨死体験で地獄から舞い戻った男の言葉で世界は一変した。
「"地獄の沙汰も金次第"、このことわざは間違って伝わっている」
なんでも男の言うことには閻魔様の前で裁かれるときには善行悪行ではなく、"いくらお金を使ったか"がその指針となるのだと。
これにより、お金をたくさん使った人が偉いという"額歴社会"が誕生した。
もちろん、賭け事や賄賂などに使ったのではいけない。慈善事業や寄付など善い事に使わなければ地位は得られない。
しかも、お金をたくさん使うにはたくさん稼がなければいけないとあって、人々は勤勉になった。
あくせく働き、ぱっとお金を使う様を見て、ある経済学者は「江戸時代のようだ」と評している。
文化は花開き、人類に栄華の時代が訪れた。
さて、なぜ地獄行き天国行きがお金の使いようで決まるのか。
それは、たくさんお金を使えば、天国に昇るための羽振りがよくなるからである。
その他
公開:18/12/27 21:56

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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