『マネキンのドレスコード』

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「あら、新しい娘が納入されたみたいね」
「ほんと。あら見て、脚も長いしウエストも細いわ」
「きっとよそから来たマネキンね」
「原宿のマネキンにはドレスコードがあることを知らないのかしら」
「ドレスコードっていうか規格ね」
「いいのよ、お洒落に言うのも原宿流」
「そういえば、一昔前はここのマネキンもみんなああだったわよね」
「いいえ、もっとひどかったんじゃないかしら。これでもかってほどスタイル抜群だった」
「それで女の子たちに影響が出ちゃったのよね。やせすぎ願望に拒食症」
「マネキンが着ていると格好よく見えるのに、自分で着ると体型が合わなくてがっかり。それで箪笥の肥やしになった服の多さも問題になったわよね」
「だからこそのドレスコード。マネキンは健康的なスタイルであるべし」
「そうね、私たちは体を張って女の子の夢と健康を守っているのよ」
「せいぜい、摩耗して痩せすぎないよう気を付けなくちゃ」
公開:18/12/26 16:33
ドレスコードを確認するマネキン スクー

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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