『家族ガチャ』

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青年は迷っていた。配偶者ガチャを引くかどうかを。
J国にカジノができてから数十年。国民は完全にギャンブル漬けだった。
そんな中でできたのが家族をランダムで決めてしまおうという"家族ガチャ法案"。
手始めに決まったのが配偶者ガチャだった。20歳になると一人一回権利が与えられる。
もちろん、課金(という名の納税)をすればよい条件で何度でも引ける。しかし、それができるのはごく一部の金持ちだけだ。
青年が迷っているとチャイムの音がした。出ると黒服の男がいて、スマホの画面を掲げた。
「この方が、配偶者ガチャで君を引き当てた」
見ると、深窓の令嬢と表すべき女性が映っている。青年は喜んだ。逆玉の輿だ。
しかし、黒服は続けた。
「この方は納税により、良縁ガチャの権利を手に入れた。君に関してはいらないので処分してほしいそうだ」
黒服が懐から銃を取り出す。
「悪く思うな」
銃声。
その他
公開:18/12/23 16:06

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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