『姑獲鳥(ウブメ)』

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ある日、息子の孝則が聞いてきた。
「ねぇ、お母さん。お母さんがボクの本当のお母さんじゃないってホント?」
ついにこの日が来てしまったか。
「お母さんが人拐いで、ボクを拐ってきたってホント?」
もう隠し通すことはできない。私は意を決した。
「ええ、本当よ。あなたは本当の両親から虐待されていたの。いいえ、親とは言えないわ。あれはあなたを造った人ね。孝則、あなたはデザイナーベビーなの。遺伝子をいろいろ弄くってできた完璧な人間。でも完璧すぎた。不気味の谷に逆向きに突っ込んでしまったのね。親はあなたを愛せなかった。物としか見なかった。虐待の末に育児放棄。見ていられなかった。だから私が拐ってきたの。姑獲鳥の私が」
「お母さんは人間じゃないの?」
「ええ、妖怪よ。お母さんのこと嫌いになった?」
孝則は首を振る。
そう、私たちはきっと大丈夫だ。妖怪と人外であっても家族なんだから。
SF
公開:18/12/12 21:37

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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