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男は言った。俺がやった、と。

ある男も言った。俺がやった、と。

またある男も言った。俺がやった、と。


目の前にある死体を取り巻き、
三人の男は緊張交じりに、安堵の微笑を浮かべる。

うっすらと汗ばむ背中が、寒空の中、蒸気する。

時刻は夕刻。
そろそろ闇が攻め入りそうな深い森の中。

肩で息をしながら、男たちはそれぞれに噛み締めた。
そう、俺たちはやったんだ、と。


三人の男は死体を担ぎ、森の奥へと消えていった。



「…おーい!源さん、やったか?」
「ああ!何とか仕留めたぜ!」

3人の男たちが担いできたのは、大きなクマ。
最近、クマによる被害で人が喰われたのだ。

討伐に出た狩猟チームの成果に、村人は歓喜した。

早々にクマの皮を剥ぎ、
森の入口へ祀りつつも、村人は畏怖の念を森へと捧げる。


だが、村人は知らなかった。
人を喰らうクマは、一体ではないことを。
その他
公開:19/02/18 14:56

やまのまや( 東京 )

いそがしさにかまけて、しばらくお留守にしていたら。
初めての入賞を頂戴いたしました。素直にうれしいです♪
https://short-short.garden/contest/532923
目を留めていただいて、ありがとうございます(^^)

さぁさ! もの語りをはじめよう

400文字の小箱の奥に
ぎゅっと詰まった言の葉と

明けた途端にポンと広がり
はらり舞い散るヒトハシのムゲン

垣間見えるは神か悪魔か
ひと筆つづりて 心留め置き
今日も今日とて 世界を創る

さぁさ! もの語りが始まるよ!

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