『出囃子出産法』

1
3

「M県T町で起きた同時自殺事件ですが、調査を続けてきた竹本記者から報告を聞きたいと思います。竹本さん、今回の自殺者には共通点があるそうですが」
「はい、一つ目は17人全員が28歳であるということ。二つ目は同じ産婦人科で生まれていることです」
「産婦人科と自殺にどういう関係が?」
「その産婦人科では"出囃子出産法"という出産時に母子に音楽を聞かせるという方法をとっているんです」
「ほうほう」
「カルテを調べたところ、17人は出産時同じ曲を聴かされていました。その曲は当時あまり売れなかった"茜色の青春"という曲です」
「それはついこの間某アイドルグループがカバーしたという……」
「そうです。自殺した時刻にはその曲が初披露されていました。曲が出囃子として刷り込まれた17人は、この世に出てくる出囃子をこの世で聴いてしまったせいで、あの世の方へ出て行ってしまったというわけです」
ミステリー・推理
公開:19/02/07 06:13

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容