『ハロウィン絶対防衛線』

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21世紀のクリスマスにはこんな曲が流れていた。
"クリスマスが今年もやってくる 悲しかった出来事を消し去るように"
22世紀になって我々悲しみはこの恐怖から解放された。
クリスマス中止委員会の非リア充達の負のパワーによりクリスマスは封印されたのだ。
しかし、その封印が今解けようとしている。
我々は策を練った。ハロウィン期間を伸ばし、クリスマスを潰すのだ。
ハロウィン絶対防衛線。これを守り抜けば我々悲しみの勝利だ。
しかし……。
「隊長!クリスマスエネルギー増大!24日を侵食しています!」
「くそっ、南海トラフ地震の悲しみがクリスマスに呑まれました」
「やむを得ん、防衛線を廃棄!脱出計画を繰り上げる。各自脱出準備!12月26日に生きて落ち合おう!」

この悲しみたちの攻防は誰の記憶にも記録にも残っていない。
人々は悲しみの無いわくわくした心持ちで新年を迎えた。
今日もこの国はシアワセだ。
SF
公開:19/01/28 15:06
涙の繰り上げスタートクリスマス スクー

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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