『秋風と眼鏡』

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”秋風発生装置”。怪しげな深夜の通販番組に乗せられて、つい買ってしまった。
俗に秋波を送るというが、この秋波とは秋風のことらしい。
秋風に吹かれるとふと心が寂しくなり人肌を求めるようになる。それによって異性がなびくのだと言う。
この小型手持ち扇風機みたいな機械で相手に秋波を送るだけで効果は出るらしい。私は早速片想い中の会社の先輩に使ってみることにした。

翌日、私は通販会社に怒りのクレーム電話を掛けていた。
「ちょっと、全然効果ないじゃない!」
「お客様、落ち着いてください。 相手の方は赤いアンダーリムの眼鏡を掛けておりませんでしたか?」
「そういえばかけてました。いつもはコンタクトなのに」
「それも弊社の製品でございます。ベストマッチな相手を見つけるための」
「つまり、どういうこと?」
「お客様は相手の方の眼鏡に叶わなかった(敵わなかった)のでございます」
その他
公開:18/10/10 19:19

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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