『国民一億総天職』

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かつて、国民一億総活躍を掲げた総理大臣がいた。
今の総理は彼の後継で国民一億総天職を掲げている。その一大政策として作られたのが職業マッチングAIである。
これは個人の学校成績、趣味嗜好、SNSでの発言や携帯電話での通話ログまでを収集し総合的に判断して最も適した職を提示するという物だ。
莫大な金を投じただけあって的中率は素晴らしく、総理の公約は現実のものとなった。そう、誰もが"働きたい会社"に入れるようになったのだ。
これにより、就職活動言葉は死語となった。失業率も驚異の0%を示している。
しかし、問題はあった。職業マッチングAIは自身をメンテナンスする職に付ける人間を見出せないのだ。
それはAIがあまりに複雑になりすぎてしまったからであった。
今日もAIは人々に転職を示し続ける。
バグも、仕様漏れも内包したまま。
SF
公開:18/10/07 19:00

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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