0
9
わたしは、絶海の孤島に生まれ育った。
家族と、お隣さんと、集落に人が少し。
漁をして、野菜を育て、牧場で動物たちの世話をする。
そんな日常が変わったのは、16歳になった日のことだった。
わたしはその日、島の大人だけが入れる場所へと連れていかれた。
待てと命じられ、緊張しながら待っていると、
上の方からひゅるる、と音が聞こえた。
顔を上げると、何かが落ちてくるのが見えた。
身をかわす間もなく、大きな音を立て、わたしの目の前にそれは落ちた。
手に取ってみると、ひんやり冷たくて、ずっしりと重い。
中央に、白で、かじられたリンゴのような絵が描かれている。
「それが、これからおまえの道具だ」
手の中にある板を見た。
四角くて、厚みがあって、辺の一つが薄く、細くなっている。
よく切れそうだ。
肉や野菜を切るのに重宝しそうだ、っておもった。
それが、わたしの「大人」の始まりの日だった。
家族と、お隣さんと、集落に人が少し。
漁をして、野菜を育て、牧場で動物たちの世話をする。
そんな日常が変わったのは、16歳になった日のことだった。
わたしはその日、島の大人だけが入れる場所へと連れていかれた。
待てと命じられ、緊張しながら待っていると、
上の方からひゅるる、と音が聞こえた。
顔を上げると、何かが落ちてくるのが見えた。
身をかわす間もなく、大きな音を立て、わたしの目の前にそれは落ちた。
手に取ってみると、ひんやり冷たくて、ずっしりと重い。
中央に、白で、かじられたリンゴのような絵が描かれている。
「それが、これからおまえの道具だ」
手の中にある板を見た。
四角くて、厚みがあって、辺の一つが薄く、細くなっている。
よく切れそうだ。
肉や野菜を切るのに重宝しそうだ、っておもった。
それが、わたしの「大人」の始まりの日だった。
ファンタジー
公開:18/09/04 21:31
南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます