『天使の翼(よく)』

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ここは天の国。神様の吐息から創られた天使見習いたちを前に天使長のミカエルは言いました。
「君たち天使見習いは本日をもって天使学校を卒業する。
 君たちは純粋無垢で、素直で真面目だった。
 しかし、これから関わる人間界ではそれだけではいけない。少しばかりの穢れが必要だ。人間の中には嘘をついてこちらを騙そうと言う輩もいるからな。
 そのために”よく”を授ける。この天使の翼は欲なのだ。
 あそこにいるでっぷり太った天使の翼は”食翼”だ。
 じゃらじゃらと着飾っているあいつは”自己顕示翼”。
 高いところでふんぞり返っているあいつは”支配翼”(とは言っても実は下級天使だが)。
 しかし、気を付けろ。翼は軽いものでなくてはいけない。強翼になるとすぐに悪魔へと堕落してしまうからな。
 悪魔のあの蝙蝠のような羽を思い浮かべてみるがいい。奴等の羽は翼の皮が張っているだろう?」
ファンタジー
公開:18/09/04 18:53

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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