量は質を凌駕する

どんな凡人だって、
毎日地味コツしてれば、天才を超えられる。

父の信条は、我が家の家訓として、
子どもの頃から何べんも聞いている。

だから僕は、
勉強も運動も、いつもいつも努力した。
だけど、どうしても一等賞はもらえない。

高校生になったある日、
ついに僕は、努力するのを諦めようと決意した。

ところが、だ。

これまでの習慣なのか、
ぐうたら過ごす方法がわからない。
家に帰ってきても、すぐに机に向かってしまう。
さぼろうと思っても、
かえってそわそわしてしまって、落ち着かない。

結局高校も卒業し、大学も卒業し。

気が付けば地味コツは、
実を結び形になり、
今は僕の右側に鎮座ましましている。

別に何かしゃべるわけでもないが、
僕が作業をしていると、
必ず右側に座って見守ってくれている。

平凡な人生だけど、
コイツと出会えたんなら、
こんな人生も悪くないなと、今では思っている。