夜の色

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僕は父と兄と3人で暮らしている
長期の休みになると兄と親戚の家へ預けられる、食事等がままならないからだ
でも冬休みは正月を挟むのでお年玉でおもちゃを買えるのが嬉しかった

冬休みの最終日、家へ帰る途中の大きな駅で降りて買い物をするのが恒例だが
冬場の夕方は日が落ちるのが早い、直ぐに辺りは暗くなる
暗がりは怖いけど兄と居るし
おもちゃを買うことに気を取られて
怖さを忘れてしまう
今年は車のプラモデルを買った
家に着くと兄が鍵を開けてる間
『明日から学校か』と思いながらふと振り返ると深い闇が迫ってくる様に思った事を覚えている


日曜日の夜はいつもと違う様に感じる
平日仕事に追われ深夜まで残業して
景色など目に入らないせいか暗さなど感じない
なのに休みの終わりの夜はいつもより暗さを深く感じる
『明日から仕事か…』
深い闇を何処か懐かしく感じながら家のカギを開ける
青春
公開:18/11/14 20:52

タカ( 千葉県 )

プチコン2海で『帰海』が優秀作に選出されました
また選んで頂ける様に精進中

生粋の秦佐和子さん推しです

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