『嬶電化』

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きっかけは夫婦喧嘩のちょっとした夫の一言。
「女房と畳は新しい方がいいって相場が決まってんだよ!」
プッチーン!
私の中で何かがキレた。
こうなったら最先端の女になってやろうじゃないの。
私は肉体を捨て、家中の家電製品と一体化した。
そして、私は家電として夫に至れり尽くせりの良妻っぷりを見せたのだ。
しかし、夫は家を出て行ってしまった。
おかしい。冷蔵庫を開けるたびに体重と体脂肪を表示して食べ過ぎ飲み過ぎに注意するよう促したのも、夫がこっそりパソコンで覗いていたエッチなサイトにつながらないようフィルタリングしたのも、夫のスマホのロック画面を私のキス顔にし、指紋認証ならぬキス認証でないとロック解除できないようにしたのも、全部夫への愛なのに。
まあ、いいか。
「亭主電気で留守がいい」
AIスピーカーで呟いて、ふと気づく。
一人の家って、さびしい……。
SF
公開:18/11/07 17:01
電脳化

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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