会社といっしょ

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僕と会社は一体だ。左腕と腰は完全に会社と同化している。先輩は同化が進んで首しか見えない。人の形を留めていない古株もいる。
会社は生き物だ。他社もみな姿や大きさが違う。僕らの会社は大きな白い八足獣。どの会社も絶壁に面した右上がりの坂を競って登る。小さな会社が踏まれ、大きな会社が崖から落ちる。
僕らには色んな想いがある。長い月日で溶け合っていく。それが会社の姿を決める。全てが溶け切った頃、僕らは小さな別の会社として産み落とされる。仔会社だ。
仔会社は高くて細い産声を上げる。親会社は仔会社の羊水を愛しそうに舐め取った。眼が開いて仔会社はゆっくりと立ち上がる。親会社は再び前に歩き始めた。
仔会社は懸命に親会社の後を付いていく。僕らは仔会社として生き、成長して次の仔会社を産まねばならない。
いつしか僕らの仔会社は羽を持っていた。これで大きく羽ばたいていく。僕らの想いは、いま一つになろうとしている。
その他
公開:18/10/30 04:45

北澤奇実

慌てて書きましたが、七夕祭りに間に合いました!

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