『月が拾う物のこと』

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ヒマワリが太陽に愛されているように、栗の実はお月様に愛されています。
栗きんとんのあの艶やかな黄色を思い浮かべてみてください。お月様に似ているでしょう?
栗の実はその中にお月様の光を取り込んで黄色くなるのです。
でもときどき、光の力が足りないのか黄色くならない栗の実があります。
お月様にとっては失敗作です。
だからお月様は夜中にこっそりその失敗作を拾って隠しているのです。
え?雲が出てお月様の出ていない夜はどうするかって?
その時は月のウサギ地球支部のウサギたちがお月様の代わりに回収します。
そうそう、人間もほんのちょびっとだけ月の光を取り込んで大人になるんですよ。
もちろん栗の実と同じように光が足りなくて失敗作になる人間もいます。
その失敗作人間もお月様は回収します。
ほら、皆さんも知ってるあの竹取の姫もそうだったのですよ。
ファンタジー
公開:18/10/21 22:02
更新:18/10/21 22:02
月に代わって栗拾い

ひょろ( twitterが主。あとは「月の音色」の月の文学館コーナー )

短いものしか書けない系ものかき趣味人
江坂遊先生の「短い夜の出来事」(講談社文庫)に入っているハイパーショートショートに触発されて、短い小説を書いている。
原稿用紙5枚→3枚→半分(200字)→140字(twitter小説)と着々と縮み中w。
月の音色リスナー

目にも止まらぬ遅筆を見よ!

twitterアカウント:hyoro4779

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