新鮮過ぎる寿司

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 水を張ったレーンの上を、魚たちが泳いでいた。くるくるくるくる、気持ち良さそうだ。と、
「獲った!獲ったよ、パパ!」
 小さい男の子が嬉しそうに叫ぶ。その腕の中には一匹の大きなマグロが抱えられている。
「焦るな、ここからだ。ゆっくり、ゆっくり、気をつけてお皿に載せるんだ」
 そう言う父親は手に汗握るように神妙な顔をしている。そうしてマグロが無事皿の上に載った時、いちばんに喜んだのは父親の方だった。
「やった!やったぞ!」
 父親の歓喜に周りの人たちも喝采を贈る。その光景はさながらヒーロインタビューだ。

ーーと、そんな光景を外から見ていた私に友達が言った。
「あ、ここ。今話題の『寿司流し』をしてるとこだ。入る?」
 問われた私は首を横に振る。だって、いくら新鮮といったって、生きた魚が皿に載った瞬間、寿司にトランスフォームしたところを見てしまったら……。
公開:26/09/29 11:16
更新:26/09/29 11:18
若いお寿司

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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