技術の真価

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わが社の新製品、スマホに着せるジャケットが大ヒットした。

着せたジャケットの職業を演じ、音声でサポートしてくれる。
種類は豊富で、秘書、先生、作家にペットなんてのもある。
私も、黒い燕尾服の執事ジャケットを愛用している。
有能だった。

ーー有能すぎて、何もしなくてもよくなった。
空虚な時間が過ぎていく。
おかしい。技術が不幸を生むなどありえない。

そんなある日。
喫茶店で通りを眺めていると、見たことのないジャケットのスマホが目に入った。
見せてもらうと、鮮やかな色彩で飾られたピエロのジャケットだった。
既存のジャケットを改造したという。その人は笑顔で、アートですと言った。

時間の余白ができたおかげで、アートをする余裕が生まれたのだ。

私は確信した。
余暇を、あそびを作り、人にしかできないことをする。
そうだ。そのためにジャケットを作ったのだ。

技術は人を幸せにするために、ある!
ファンタジー
公開:26/03/27 08:26

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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