傾国の女王

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むかしむかし、あるところに、空に浮かぶ王国がありました。

若き王は、武力で地上を支配していました。
戦争で領土を拡大し、重い税金を集め、独裁政治を行ったのです。

ある日、美しい姫が王城へやってきます。
滅ぼされた国の王女で、王が妃とするために連れてきたのでした。

やがて王に言われるがまま、姫は新たな税の徴収を宣言します。

けれど、不思議なことに。
その年の納税の日が過ぎても、姫の税は徴収されませんでした。
ただ、徴収が終わったという知らせだけが、民に届いたのです。

次の年も、その次の年も同じでした。

姫が集めていた税は「王への憎悪」。
3年後、たまりにたまったその重みで、空に浮かぶ島が傾いたのです。
テラスにいた王は、地上へと滑り落ちてしまいました。

後に姫は女王となり、国を長く繁栄させたと伝えられています。

ーー国を救った「傾国の女王」の二つ名と共に。
ファンタジー
公開:26/03/20 10:30

蒼記みなみ( 沖縄県 )

南の島で、ゲームを作ったりお話しを書くのを仕事にしています。
のんびりゆっくり。

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