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 息子が熱を出した。38度5分。あんまりつらそうで見ていられない。私は書斎にいる夫を呼んだ。「あなた、頼める?」そう言っただけで、血相を変えて準備に取り掛かる夫。すぐさま買ったばかりのiPadと息子の脳をコードで繋ぐ。iPadの画面に映る波。息子の知恵熱から抽出された「知恵」のデータが、iPadに転送されているところだ。
「これでよし」
 数十分後、夫が言った。笑い声が聞こえた。熱が下がった息子が、機嫌良く笑っている。けれど母である私はまだ不安だ。なぜなら、いくら高熱が怖いからといって、知恵を抜きすぎると頭が悪くなってしまうから。
 早く知識の吸収に耐えれられる体になってくれることを、私は強く願っている。
公開:26/03/15 23:49

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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