「殺さないよ」から始まる君たちへの懺悔 ー馬編ー

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「殺さぬよ」
 決然として言った言葉は、はたしてそなたに、届いたろうか。
「届いたろうな。なあ、おまえ」
「そなたの死は、我の死だ。であるから、我は決して殺さない、殺させない」
 ブルルルゥッ。そなたは大きく、首を振る。それははたして、武者震いか。もしや、もしや怖いのか?
「そんなことはあるまい?のう?」
 尻に感じる友の「怖れ」。脳裏にゆらめく「負け」の二文字。もっとも好まぬふたつの言葉が己が心に走った時、我は手綱を強く引いた。
 強く、短く。それはとても、痛かったろう。我の心に、「哀れみ」が割り込む。
「戻ったら、おまえが食べたがっていたそれは美味いといわれるにんじんをやろう。」
 だから、だから、なあ、おまえ。
「共に戦さ場を駆けようぞ、なあ、おまえ」
 そして、我を許せよ、なあ、おまえ。
 頭を下げることを許されぬ我を。不確かな生死の場に向かわす我を。
公開:26/02/08 11:50
更新:26/02/08 12:01

さがやま なつき( 鹿児島 )

2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)

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