「殺さないよ」から始まる君たちへの懺悔 ー虎編ー
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「殺さないよ」
僕が言うと、トラは首を傾げてこちらを見返してきた。
「殺しては駄目。殺しは、何物をも生まない。それはとても生産性がなくて、それはどこまでも無意味なことだ」
トラはさらに首を傾げる。言葉を介さぬ自分に言葉で説教している人間をばかにしているのか。
「ちょっと待ってね」
言葉を介さぬ相手に、僕は別の方法でアプローチを試みる。
トラから目を離さぬまま、そろりそろりと動く。目の先に今しがた壊した屏風。
「持って帰りな。君のものだ」
トラの目つきが変わった。そして、動いた。ゆっくりと屏風の切れ端を咥えると、城をあとにしたのだ。屏風の絵は虎、親子虎の絵だった。トラは、親だ。
「トラは逃しました。どうです?」
絵の虎を縛れと命じたら、本物の虎が城に潜んでいた。喉元に刃を当てられていたのは殿だ。いつ殺されていたかわからない。その窮地から救った僕に、殿は涙を流して謝罪した。
僕が言うと、トラは首を傾げてこちらを見返してきた。
「殺しては駄目。殺しは、何物をも生まない。それはとても生産性がなくて、それはどこまでも無意味なことだ」
トラはさらに首を傾げる。言葉を介さぬ自分に言葉で説教している人間をばかにしているのか。
「ちょっと待ってね」
言葉を介さぬ相手に、僕は別の方法でアプローチを試みる。
トラから目を離さぬまま、そろりそろりと動く。目の先に今しがた壊した屏風。
「持って帰りな。君のものだ」
トラの目つきが変わった。そして、動いた。ゆっくりと屏風の切れ端を咥えると、城をあとにしたのだ。屏風の絵は虎、親子虎の絵だった。トラは、親だ。
「トラは逃しました。どうです?」
絵の虎を縛れと命じたら、本物の虎が城に潜んでいた。喉元に刃を当てられていたのは殿だ。いつ殺されていたかわからない。その窮地から救った僕に、殿は涙を流して謝罪した。
公開:26/02/06 05:40
更新:26/02/06 06:22
更新:26/02/06 06:22
2021年7月初投稿。お話の主人公は男性(もしくは少年)が多め。女性はキャラ作りが苦手です。(口調が書けない)
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さがやま なつき